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コロナ禍のパワハラとその対処方法②

2020/12/23

今日は、先週に引き続き、新型コロナウイルスの流行で変化する職場のハラスメントのケースをご紹介します。

 

【ケース3】
中堅建設会社勤務のKさんは社内で初めてとなる女性の現場監督(施工管理者)を誕生させた。コロナ禍で以前のように現場に向かうことができず、メールで指示するようになったとき女性現場監督との関係に亀裂が生じ始めた。彼女から相談を持ちかけられ面談する予定もあったが、コロナ禍に見舞われて実現できなかった。1カ月後女性現場監督からパワハラで訴えられた。
半年前に結婚していた彼女に送った「せっかく現場監督にしてやったんだから、しばらくは出産を控えて仕事に専念してくれよ」というメール文がパワハラ認定の根拠となった。

 

パワハラは年々増加の一途をたどり、労働局などに寄せられた相談件数は8万7570件(2019年度)。2009年度(3万5759件)に比べ2.4倍に増えている。
相談の中には、上司が認識せずに行為に及ぶ‟無自覚パワハラ”も、相当数含まれていると考えられる。‟無自覚パワハラ”は、相手の気持ちを読み取りにくく、面と向かっては抑えていた感情を表に出してしまいがちなメールなどICT(情報通信技術)を活用したテレワークが、拍車をかけている

 

業務命令など「業務上必要かつ相当な範囲」と、それを超えたパワハラとの境界線は曖昧でグレーゾーンは広い。その一方で、「優越的な関係」を背景にした行為であることは明確なため、管理職はパワハラ防止に最大限の努力をしなければ、容易に「加害者」になってしまう可能性がある。
だからといって、パワハラを恐れるあまり、部下への指導などができなくなっては元も子もない。

 

パワハラ防止は、単にマニュアルを頭に叩き込めばよいというものではない。
管理職はまず、自身の価値観を部下に押し付けないこと。
仕事に対する考え方の違いを認識し、それを前提に指導にあたる必要がある。さらに新型コロナウイルス感染症の今後が不透明な中では、マニュアル通りの対応だけでなく、あらゆる職場環境を想定し、対策を実践できる柔軟性と発想力が求められている。

 

管理職にとって「パワハラ」は頭の痛い問題です。
部下はどういう性格で、どう受け取っているか、お互いを尊重しあって働けるといいのですが、コロナ禍ではどうしてもコミュニケーション不足になってしまいます。
その結果として、部下との信頼関係がぐらついてしまい、普段と同じ言動でもハラスメントとなることもあるのかもしれません。
直接会えない、声をかけられないのならば、意識的に信頼関係を築くコミュニケーションを意識する必要があるでしょう。

 

参考:『テレワークで増加する「無自覚パワハラ」の惨劇』