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ジョコビッチ、怒りの代償

2020/09/17

テニスの全米オープン女子シングルスで大坂なおみ選手が2年ぶりの優勝を果たしました。決勝戦は、第1セットを奪われる苦しい展開でしたが、第2セット以降調子を取り戻し、見事逆転勝ち。素晴らしい戦いを見せてくれました

今回の全米オープンと言えば、グランドスラム通算17度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ選手が、試合中に失格となったことは記憶に新しいかと思います。 第1セットを5-6とリードされたジョコビッチ選手は、自分のサービスゲームを落とした苛立ちからボールをラケットで後方に打ちました。そのボールが線審の喉を直撃。この行為に対し、大会レフェリーと審判長が協議の結果、ジョコビッチ選手に「失格」が言い渡されました。

故意ではなかったにしろ、苛立ちから軽率に放った1本のボールにより大会で獲得したポイントの取り消し、賞金(約2650万円)没収、さらには危険行為に対する罰金(約106万円)や記者会見を拒否した罰金(約80万円)まで科されることとなり、大きな損失を被ることになりました。

 

 

苛立ちを感じた時、イライラした時に感情のまま「怒り」を、物や人にぶつけてしまったという経験をしたことのある方はゼロではないはずです。
部下やパートナー、子どもにあたってしまって、後から後悔したこと、一度や二度、経験ありませんか?

「怒り」は誰にでもある感情ですし、ある程度の「怒り」は時にエネルギーとなることもあるので、「怒り」の感情を持つこと自体は決して悪いことではありません。問題なのは、その「怒り」を感情のままに表に出すことです。

 

怒りの感情は“5秒”ほどで鎮まると言われています。イラッとした時に、ちょっとだけ我慢すればいいのです。この“ちょっとの間”、我慢するためコツをご紹介します。

 

■怒りの感情を鎮めるコツ
ポイントは、意識を別のものに向けるです。怒り、イライラから間を置くことです。
怒りの感情を抱えたままイライラした状態でいると、相手の言葉や行動に反応しやすくなり、売り言葉に買い言葉。心ない言葉を投げてしまったり、物にあたってしまったり、と
怒りが怒りを呼ぶ事態になってしまい一つもいいことはありません。

では、どのように5秒待てばいいのでしょうか。
深呼吸を3回する…自律神経のバランスを整える作用がある
自分の足をつねる…痛覚を刺激して、怒りを抑える
10数える…特に数字が好きな方に有効。10まで数えても怒りが鎮まっていなければ、100まで数えましょう!
戒めの言葉や呪文を唱える…「ピンチはチャンスだ」「頑張れ○○(自分の名前)」などを唱えて、怒りの感情をやり過ごす
怒りを鎮めたらほめる…怒りを鎮めることのできた自分をほめましょう!

「怒る」→「鎮める」→「ほめる」を習慣化できるようになると、怒り・イライラの感情に対して耐性がつき、ちょっとのことでイライラしたり、物や人にあたるようなことはなくなります。

 

今回優勝した大坂選手も、プレーが思い通りにいかない苛立ちから、ラケットを投げたり、地面に落ちたラケットを蹴るなどイライラを爆発させる場面がこれまでの試合で何度か見られました。今回の全米オープンでは、第1セット目を落としてからの逆転勝ち。きっと「怒り」のコントロールができるようになったというのも優勝の一役になったのではないでしょうか。

 

皆さんも「イラッ」とした時にはぜひ一度深呼吸をしたり、数を数えてみてくださいね。
感情のまま怒りをぶつけてしまうと代償が大きいですよ。