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研究開発は長距離走

2019/10/23

先週のブログで、「GRIT=やり抜く力」について書かせていただきました。
人生で大きな物事を成し遂げることができるかどうかは、才能より「GRIT(やり抜く力)」が大事だという内容でした。

詳しくはこちらをご覧ください
『情熱と粘り強さと柔らか頭』

 

ここで間違ってはいけないのは、才能は重要ではないということではなく、才能があったとしてもそれを活かせるかどうかは別の問題だということです。
ノーベル化学賞を受賞された吉野氏はインタビューの中で、研究開発をマラソンに例えて、このように話されていました。
「研究開発の道のりは、マラソンレースと非常によく似ている部分がある。距離は42.195kmと決まってないが、必ずどこかに“ゴール”はある。研究は苦しいが乗り越えるとランナーズハイになり、楽しくなる。ゴールには宝物がある。途中でどんな苦しいことがあっても何とか乗り越えられる。」

 

GRITを提唱したペンシルバニア大学心理学教授のアンジェラ・リー・ダックワース氏の調査では、成功者には学歴や知能、外見、身体的能力ではなく、次のような「GRIT=やり抜く力」があることに共通点を見い出しました。
・物事に情熱的で、目標を達成するためにとても長い時間を継続的に粘り強く努力する
・1週間、1ヶ月といった短期間ではない
・夢・目標が現実となる数年間頑張り続ける
・短距離走ではなく長距離走

先ほどのマラソンの例えから分かるように、吉野氏は非常にGRITが高く、才能以上にやり抜く力を持っているということが言えます。

 

リチウムイオン電池の開発というゴール、そしてノーベル賞受賞というゴール、どちらも果てしなく長い長距離走ですが、しっかりとゴールを見据え、着実に進んで行かれたのでしょう。
私たちには想像もできないような苦労があるはずなのに、その過程を楽しんでいたような印象すら受けました。吉野氏は最後にこう付け加えました。

 

「リチウムイオン電池はまだまだ謎だらけ」

 

吉野氏は「環境問題の解決」というタスキを若い研究者達に引き継いだのではないでしょうか。