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離職率4%!驚異の左官屋さんに学ぶ育成の極意とは

2021/10/20

空気も急に冷たくなり、外はすっかり秋の様子ですね。
屋外で働く仕事と言えば建設業があります。建設業は離職率が高い業種です。
高卒で就職後3年目までの離職率は47.7%で、一貫して全産業・製造業を上回っています。
そんな中、入社4年以内の離職率約4%という驚異の左官屋さん原田左官工業所を見つけましたので、代表の講演録をご紹介したいと思います。

職人自体が減っている今、さまざまなタイプの人を職人として育てていかなければ業界そのものがなくなってしまう。
縁があってうちに来た人たちをどう育てていくべきかを試行錯誤し、3つのシステムで育成しています。

 

●職人育成システム①:塗り壁トレーニング
建築業界では「見て覚える」という教育方法がとられてきました。
しかしこの教育方法では、
・技術が身につくまでに時間がかかる
・見習い期間は給料が安い
・何を見たらいいのか不明確
ということで辞職の理由のひとつでした。

そこで、入社後1カ月間「塗り壁トレーニング」を行うようにしました。
左官の名人の動きを撮影したビデオを見て、手順や回数をそのままコピーして覚えます。
まず何からやればいいのかという入り口を示してあげるのが今の若い人には必要です。トレーニングをすると、ある程度知識を身につけて現場に入ることができます。事前に学んでいる分、職人側も以前よりも教えやすいし、新人も覚えやすい。
さらに、先輩の仕事の何を見て、何を学べばいいのか迷わなくなる。結果早く役に立つ見習いが生まれるという好循環が生まれ、離職率が大きく下がりました。

 

●職人育成システム②:年明け披露会
年明けというのは年季明けのことで、見習工を卒業し、一人前の職人のスタートです。普段褒められる機会が少ない職人の世界
見習い期間と定めた4年間の努力を称えると同時に、これからも職人としてがんばってもらえるようにとホテルの宴会場で盛大にお祝いしています。

 

●職人育成システム③:ブラザーシスター制度
新人が仕事を辞める理由のほとんどは人間関係の悩みです。
5年目以上の先輩が、複数の見習い社員の相談役となり、一緒に食事に行くなど気軽に交流できる機会をつくる制度です。
1対1では、相性などの関係で形だけで終わってしまうことがあるため、少数の先輩と大人数の後輩という組み合わせにしています。大人数ゆえにワイワイと声が出しやすくなった、話しやすくなったようです。

 

今回ご紹介した原田左官工業所の取り組みを見ていると「人材育成で大事なのは「ひとりぼっちにしない」こと」だとわかります。
社員教育には、お金も時間もかかるものです。
教えてすぐ一人前になるわけではありません。
社員教育には注力する余裕がないという企業もあるかもしれません。

 

しっかりと時間を取って教育することも大切ですが、いつもの何気ない声かけなど新人や後輩をひとりぼっちにしないための方法はたくさんあります。
ぜひ皆さんもできることから取り組んで「人財」を育成してほシカ!

 

参考:『《講演録》職人育成の常識を塗り替えた!原田左官工業所の“人を育てる姿勢”』