今年、桜の便りが一番に届いたのは福岡でした。
桜を見ながら、今年も新社会人への
エールの気持ちでいっぱいです。
新人に多少のミスはつきものです。
「ミスをするのは仕事に慣れてないから」
「注意が足りないから」
「仕事への熱意が欠けている」
「あの新人はこの仕事に向いてない」
と思う上司は少なくありません。
そのため
「真面目に仕事に取り組め」
「やる気が足りない」
「もっと努力しろ」
といった能力や性格、心構えに
対する指導になりがちです。
しかし、
相手の心構えや姿勢、意識に訴えかける指導では、
ミスや事故を無くすことはできません。
実はミスや事故が発生する、もっとも大きな背景の1つは
「指示が曖昧で、どう行動すればいいかわからない」
です。
具体的なケースで考えてみましょう。
ホテルの宴会担当部署で、
その日行われる宴会の準備をしています。
「何本か、瓶ビールの栓を抜いて準備しておくように」
という指示が出ました。
「何本か」の時点で、すでに曖昧な指示ですね。
「準備をしておく」も具体的ではありません。
テーブルの上に並べておくのか、ケースに入れておけばいいのか。
そして「栓を抜いて」ですが、今の20代の若者に通じるでしょうか?
今の20代の若者には、瓶の栓を抜くという行動を
したことがない人が大勢います。
それどころか、「栓抜き」の存在も、使い方も知らないことが多いのです。
ミスの無い行動をさせるには、
何よりも曖昧さを排除し、
具体性のある言葉を使うことが重要です。
「各テーブルに3本ずつ、
栓を抜いたビールを置いておいてください」
のような指示だと具体的ですね。
さらに、指示の時に実際に
栓抜きのやり方を見せるとわかりやすいでしょう。
そんなことは自分で判断するべきだ、
という意見もあると思います。
栓抜きを知らないなんて新人の勉強不足だろう、
やっぱりやる気が足りないんだ
という方もいらっしゃるかもしれません。
別のケースを見てみましょう。
若手社員が
「ミーティングの資料はグーグルドキュメントに
アップしてありますので、そちらをご覧ください」
と伝えてきたらどうでしょう。
グーグルドキュメントの存在を知らない、
利用した経験もない年配層には、何のことかわかりません。
経験値、知識量は年配層が多く持っていて、
若年層が少ないという図式ではありません。
今までの環境や体験が異なっているだけなのです。
能力や性格、心構えの問題ではありません。
ある調査による若者の理想の上司に
的確なアドバイスや指導をしてくれる上司が
上位にランクインしています。
また熱血タイプの上司よりも冷静なタイプの上司を歓迎しており、
こちらの理由にも
「冷静で的確な指示をもらえるから」とあります。
具体的な指示を出す上司は、今の若者のニーズとも一致しています。
ぜひあなたの指導にも取り入れてほシカ!
参考:『「不注意だからミスが起きる」というのは大きな誤解』
『養命酒製造株式会社調べ 新社会人がイメージする“理想の上司像”は、穏やかで落ち着いている“ホンワカ上司” 新社会人に不人気な上司は“熱血上司”“鬼上司”“カリスマ上司”』