今年も残り10日。あっという間の一年でした。今年を締めくくるブログは、タイトルの通り「これぞ、コーチング」という記事見つけたのでご紹介します。
福岡ソフトバンクホークスのファーム投手統括コーチである倉野信次コーチは、武田翔太選手や千賀滉大選手を育てた実績のあるコーチですが、地味な投手を次々と豪腕に変身させる指導方法が「魔改造」と呼ばれているそうです。そんな倉野コーチの指導は、まさに真のコーチングそのものです。
■欠点でも修正しない
「筋力が十分につくまでフォームをいじらない」これを毎年必ず投手コーチ陣全員で共有します。
コーチは自分なりの理論を持っていて、欠点が目立つ場合、どうしても修正させようとしてしまいます。
しかし、今のフォームによるパフォーマンスを評価されて、その選手はプロ入りしているから、無理にフォームを修正させようとすると、自分の投げ方を忘れてしまい、これまでの良いパフォーマンスを思い出せなくなりかねません。
選手本人がそのフォームで良いパフォーマンスを出しているのであれば問題ない、正しい投球フォームはこうあるべきという考えは持たないようにしています。
◼短所は目立たなくする程度で十分
倉野氏自身が選手時代に受けてきた多くのコーチングの中で、疑問に感じていたのが「短所の改善」でした。
自身の経験から、選手の短所には手をつけず、できるだけ目立たないようにするだけで十分だと考えています。
なぜなら、短所を修正させようとすることで長所も同時に消えてしまい、結局何も残らないということが起こりがちだからです。
苦手さ(短所)を意識させてしまうことで本来持っている力や自信まで失わせてしまう可能性もあります。
短所を修正する際も、その過程で長所が薄れてきていると感じられる場合は、一旦、短所の改善作業をストップし、まずは伸ばせるだけ長所を伸ばし、それから短所に手をつける、という方針に変えるのです。
短所に目を向けるより、自分の代名詞はこれだと言えるようなオンリーワンの武器を見定めて、まずはそれを徹底的に強化していくことが重要だと考えています。
いかがでシカ?
コーチングでは、人は誰でもそれぞれの良さ(能力)があり、無限の可能性を持っていると考えます。
その人から最高のパフォーマンスを引き出すためには、その人が最高のものを持っていると信じなければなりません。
時に、コーチ(指導者)は、自分の経験や理論から相手(選手、部下、クライアント、子どもなど)を自分の考える方向に誘導してしまいがちです。
しかし、指導者側からは欠点だと思えることでも、それは本人にとっては欠点ではなく最良のパフォーマンスなのだと捉え直すことでこの誘導を避けることができます。
「正しいやり方はこれだ」「それは間違ったやり方だ」という思い込みをなくすことが大切です。
もし、どうしても欠点の修正が必要な場合は、「本人に気づかせる」ことが重要です。
相手の能力を最大限に引き出すためにコーチにできることは、欠点を改善することではなく、相手の可能性を信じて、その人が持つ武器(長所・強み)に目を向け続けることです。
1年間、ブログを読んでいただきありがとうございました。
来年もお役に立つ情報をお届けしたいと思います。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。