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理想的な指導方法が作り上げる音色とは

2018/12/19

先週お伝えした、「指揮者はCEO」 N響・外国人トップの組織管理術の記事ですが、パーヴォ・ヤルヴィ氏が有効な相手のモチベーションの上げ方・維持する方法を話していましたので、それについても触れたいと思います。

パーヴォ・ヤルヴィ氏は若い頃、伝説の指揮者レナード・バーンスタイン氏に師事したそうです。その時に技術面はもちろん、リーダーシップに関しても多くを学んだそうです。
「彼の指導方法の特徴は、個々のモチベーションを高めることで、全体のパフォーマンスを上げるところにあります」
「例えば、私の指揮を一通り見たあと、『グレート、センセーショナル、ファンタスティック』などと褒めちぎり、思い切り持ち上げます。しかし、その直後に必ず、『でも、ここはこうしたほうがいい』とか『次はこうやってみなさい』などと、厳しく注文を付けてきます。そうした厳しい注文も、褒められてよい気分になっているので、素直に聞き入れることができるのです」
「部下のモチベーションを高めることができるのは、優れたリーダーの条件だと思います」
「指揮者が威圧的な態度だと、奏者のモチベーションは上がりません。モチベーションが上がらなければ、演奏にも響く。相手を脅して言うことを聞かせようとするのは、非常に非生産的なやり方です」

 

「叱る(注意する)」ことは、人格否定をすることではありません。
叱るの定義は、「相手を望ましい方向に正し、自発的に行動させていくこと」です。
叱るという行為は問題提起や改善提案です。
ですから、叱ることにより相手のモチベーションが低下しては意味がないのです。
叱ることにより「そうか!自分ももう少し頑張ってみよう!」と相手に思わせることができることが理想です。
はじめに褒め、そして問題点を指摘するバーンスタイン氏のやり方は非常に効果的です。
「初頭効果」といって、人は最初に持ったイメージが印象に残りやすく、そのイメージはずっと継続します。
この効果を利用して「できている」という肯定的なイメージを最初に話すことで、その後の指摘(注意)を好意的に受け止め、今後の課題も前向きに考えることができます。
皆さんにもぜひ取り入れてほしい指導方法です。

 

2週に渡りパーヴォ・ヤルヴィ氏のインタビュー記事を取り上げましたがいかがでしたか。
年末年始は第九をはじめ、クラシックの音楽を耳にする機会も増えます。
曲を披露するまでにある指導などに思いを馳せて、「あ!今の目配せは信頼関係があるから成り立つんだな!」なんてじっくり見てみるのも面白いと思いますよ!

参照:今どきナースのほめ方・叱り方